「KVOリゾート2019」大会参加者の声

2019年9月29日(日)に開催された国内最大級のeスポーツ大会「KVOリゾート2019」。

eスポーツとリゾートイベントの融合”というコンセプトをもとに開催された今大会だが、この記事では各ゲームタイトルの優勝者インタビューや、大会参加者の声を紹介。

試合の感想はもちろん、今大会の盛り上がりやeスポーツ界の今後、また、沖縄という場所の特性についてなどたくさんの話を聞くことができた。


優勝者の声

まずは、6つのゲームタイトルで行われたそれぞれの優勝者の声を紹介。プレイ中に苦労した点や、優勝の喜び、今後の展開や大会の雰囲気など様々な声を聞くことができたので、その模様をお届け。

BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE:KYAMEI選手

今大会の主催者でもある「KYAMEI」選手が見事優勝。世界チャンピオンの名に恥じない、卓越した技術と試合運びを見せつけ会場は大盛り上がり。

また、大会主催者としての会場の雰囲気や今後の可能性についても話を聞くことができた。

「率直に嬉しい!主催者の立場でありながら優勝したことは正直複雑だけど(笑)。沖縄の地で勝てたことは本当に嬉しい。試合が始まって立ち上がりは少し苦戦したけど、相手のことを冷静に分析しつつ戦えたことが勝因だったと思う」と、主催者の立場でありながらも優勝してしまったというスピーチで会場には大きな笑いが起こっていた。

また、主催者側の立場としてこの大会の盛り上がりを尋ねてみると、

「元々は関西を中心に大会を開催してきたけど、沖縄でも400人以上の方が参加してくれたことは素直に嬉しいし、初めての沖縄開催は大成功だったと言える。今後の可能性も感じることができたので、手応えは良いですよ」とも語り、次回以降の沖縄開催の可能性も話すと、会場は大きな歓声と拍手に包まれていた。

THE KING OF FIGHTERS XIV:SANWA/M’選手

前回大会のチャンピオンでもある「SANWA/M’」選手が見事二連覇を達成。勝負が決まった瞬間に、会場内が大きな盛り上がりと興奮に包まれていた。そんな「SANWA/M’」選手の優勝インタビューの様子をどうぞ。

「KVOで二連覇を達成できてものすごく嬉しい。ずっと目標に掲げていたことだったので、それを叶えられることができて良かった。また次も大会があるのでそこに向けてしっかりと取り組んでいきます」と語り、優勝の喜びを噛み締めつつすでに次の大会も見据えていた。

また、大会前日には沖縄県内を観光に訪れたようで、

「2時間かけて美ら海水族館に行きました(笑)。せっかくの沖縄なので試合で勝つことももちろんですが、沖縄の観光も楽しみたいと思っていたので行けて良かったです」と、沖縄での滞在にも満足そうに語っていたのが印象的であった。

鉄拳7:PEKOS選手

鉄拳7では、プロゲーマーの「PEKOS」選手がチャンピオンに。決勝の相手は同じ関東勢の「B-KUN」選手。試合で度々、顔を合わせることも多かった両者ですが、プロゲーマーの意地をみせた「PEKOS」選手が見事優勝。インタビューでは対戦相手の「B-KUN」選手への思いも語っていた。

「B-KUNは、同じ関東勢だったので過去によく対戦をしていました。前に戦ったときに比べて強くなっているなと感じたし、彼はまだ18歳。これからどんどん強くなるんだろうなと思ったので、自分も負けてられない」と相手を称えつつ、自身の更なる成長を宣言していた。

また、大会の雰囲気についても尋ねてみると、

「複数のゲームタイトルが開催される大会は海外ではよく見るけど、日本ではそれほど多くないのですごく盛り上がっていると感じるし、何より沖縄が楽しい(笑)。ブルーシールのアイスや、ステーキを食べて沖縄も満喫しています」と語り、大会の雰囲気も楽しみつつ沖縄での開催という点についても非常に満足している様子であった。

SAMURAI SPIRITS:SANWAラギア選手

こちらの決勝カードも同じ関東勢である「SANWAラギア」選手と「BON」選手の組み合わせに。一緒に沖縄へ来て宿泊先も同じだという両者ですが、お互いを知り尽くしている中での難しい試合運びを制して、優勝を飾ったのは「SANWAラギア」選手。

「同じ関東勢なのでよく大会で顔も合わせていたし、お互いのことをある程度知り尽くしていた中で勝てたことは非常に価値があった。戦い方やクセみたいなものを見抜かれているのではないかと思っていたので。これだけ強い人が集まっている大会で勝てたことはすごく自信になるし、何よりKVOの大会で初めて優勝できたことが本当に嬉しい」と、初優勝の喜びを語りつつ、知り尽くした相手と戦う難しさも話していた。

GUILTY GEAR Xrd Rev2:かるんー選手

フルセットまでもつれる白熱した試合展開を制したのは、今大会で初優勝を飾った「かるんー」選手。勝負が決まった瞬間に天を仰ぎ、両手で顔を覆う姿が印象的で感無量の様子であった。そんな「かるんー」選手の初優勝の喜びをどうぞ。

「嬉しいの一言に尽きる。こんなに大きな大会で優勝するのは初めてだし、こうやって壇上に上がって話をするのも初めて。言葉にならないほど嬉しい。今までやってきて本当に良かった。決勝相手のなかむら選手とは、過去に何回か対戦することもあったけど、負け越すことが多かったので本当に嬉しい。11月には世界大会もあるので、次はそこでも結果を出せるようにやっていきたい」と、初優勝を成し遂げ、スピーチでは緊張していた様子もありつつしっかりと次の大会を見据えていた。

大乱闘スマッシュブラザーズ SP:OCEAN選手

今大会一番の盛り上がりを見せ、124名の参加があったスマブラを制したのは「OCEAN」選手。大トリということもあり、大会参加者すべての視線が注がれる中、大技が決まる度に場内は大きな歓声に包まれていた。そんな大盛り上がりの中で見事優勝を飾った「OCEAN」選手の声をお届け。

「これだけ大きい大会で優勝できたのは、初めてだったのでとても嬉しい!今まで大会には何度も参加していたけど、中々勝てずにずっとモヤモヤしていたので。相手がバンジョー&カズーイを使ってきたときは、あまり対戦経験がなく非常に難しい試合になったけど、結果的に勝てたことは本当に良かった。スマブラの参加者が124名と聞いて驚いたけどその中で優勝できたことは自信に繋がる」と優勝の喜びを語っていた。

また、スマブラが今大会の大トリということもあり大会の振り返りも伺ってみると、

「各ゲームブースでは1日中人が溢れかえっていたし、この沖縄でも関東や関西と遜色ないくらい盛り上がっているなと肌で感じることができた。そもそも沖縄に来れるだけでも嬉しいのに、大会で優勝までできて最高の1日になりました」と、大会の盛り上がりを感じつつ沖縄での開催に喜びを感じているようであった。


参加者の声

ここからは、その他の大会参加者やブース出店者の声を紹介。今大会の盛り上がりはもちろん、eスポーツ界の今後やご自身の想いなど、バラエティに富んだ方々にインタビューをすることができた。

BSida選手(米軍人選手)

「”沖縄”という最高の立地を活かして新たなコミュニティがたくさん生まれている印象がある。海外と比べても、沖縄のコミュニティは選手同士の距離が近く、まるで家族のようだと感じた。上手い人だけでなく初心者の人も巻き込んでコミュニティを形成しているし、才能あるプレイヤーがたくさんいる。自分もゲームを楽しみつつ、プレイヤーを育てていきたいね。eスポーツの未来は明るいよ!」と終始笑顔でインタビューに答えてくれていたのが、とても印象的であった。

parchさん(ブース出店者)

「自分自身も根っからのゲーマー。昔はよくゲーセンに通っていて、そこでコミュニティが作られていた。特に約束をしていなくてもゲーセンに行けば誰かがいたし、そこで1日中楽しむことができた。今の時代そういった文化がなくなってきてしまったのは正直寂しいけど、今度は自分たちでそういったオフラインの場で交流が持てる場を作っていきたい。オンラインが普及して対戦相手は見つけやすくなったけど、深い繋がりが持てなくなってしまった気がするので、年齢や国籍問わず色んなカルチャーの人を巻き込んでコミュニティを作っていきますよ!」と、自身の体験を交えつつ、これからの展望を力強く語っていた。

ゴールデンボンバー 歌広場淳さん

「主催者のKYAMEI選手と元々交流があり、今回参加することができました。最近まで仕事が忙しく中々時間も取れなかったのですが、何とか沖縄に来ることができて今日の日をずっと楽しみにしていました!正直、沖縄にこんなにたくさんの人が集まるとは思っていなくて本当に驚いている。自分自身も楽しみたいし、ゲームを通じてプレイヤーと交流して一緒に写真を撮ったりすることが、大会の盛り上がりになるならば嬉しいですね」と、大会への参加をずっと楽しみにしていた様子。

また、大会2日前に沖縄入りしたようで滞在中の過ごし方も伺ってみると、

「沖縄料理のお店で夜を過ごし、日中はシュノーケルやバナナボートに乗ってマリンスポーツを楽しみました(笑)。沖縄最高。まさにリゾートって感じですね。それでいて、これだけ大きな会場でゲームを楽しめるので、来て本当に良かったし最高の日々を過ごせています」と、大会への参加だけでなく沖縄ならではの過ごし方も満喫しているようであった。

wp1kz選手(プロゲーマー)

「この会場に集まっている人たちは、みんな”ゲームが好き”というのが根本にあると思います。近年、eスポーツが大きな注目を集めるようになったことで昔に比べたら”ゲームが好き”という思いをオープンにできるようになった気がしますね。それに付随して、アニメや漫画、コスプレなどの色々なカルチャーが融合して大きなコミュニティが生まれていくし、沖縄でこれだけ大きな大会が開かれたのも、それだけたくさんのニーズがあるということではないかと思っています。これからも色々なものを巻き込んで盛り上がりたいですね」と語り、eスポーツの持つ可能性とこれからの展望を語っていた。

琉球大学×沖縄国際大学の学生たち

「普段のサークル活動は学生同士の関わりしかないので、こういう場が沖縄で開かれるのは嬉しいしとても貴重。大会の雰囲気も楽しみつつ、今日の経験を学校に持ち帰って色々と活かしていきたい。せっかくの場なので人脈を作りつつ、他の学校とも交流を深めて一緒に切磋琢磨していきたい」と話しており、インタビュー後には隣同士のブースということもあってか、すぐさま学生同士の交流が生まれていたのが印象的であった。


今回の取材を通じて

今回取材をしていて、多くの参加者が発していたのは「コミュニティ」というワード。

午前9時の開場直後から場内の至るところでプレイヤー同士の交流が行われており、ゲームというコンテンツを通じて様々なコミュニティが誕生していた。その新たなコミュニティがまた別のコミュニティと繋がり、このようなeスポーツの大会はそうした繋がりが大きくなったものであるのではないかと、1日を通して感じることができた。

400名もの観衆が1つの大きなモニターに釘付けになり、プレイヤーが繰り出す技の一挙手一投足に一喜一憂する様子は、まさに大きなコミュニティの姿であると感じた。

その盛り上がりの熱量はまさに”スポーツ”そのもの。当日の気温は30℃を超える厳しい暑さであったが、間違いなく沖縄で一番”熱い”場所となっていたのは、この「KVOリゾート 2019」の会場であったのではないだろうか。


文:藤森 大輔 / 写真:平良 樹

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